北斗星(9月30日付)

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 潟上市の佐藤秀子さん(58)はお隣・井川町の公園「日本国花苑」を散歩コースにしている。敷地が40ヘクタールと広く、開放感がある。週に3、4日は愛犬を連れてのんびり園内を歩く

▼桜の名所で知られるが、真冬を除けばどこかで何かしら咲いている花を見つけられる。その一つ一つがうれしい発見だ。この時期はあちこちで赤いサルスベリに出合える。秋や冬に開花する桜もあり、見どころ満載だ

▼町の委託を受けて園内を管理しているのは地元の造園業者。一帯には花々に加え、グラウンドゴルフ場や遊具も整備されている。町内外から訪れる多くの人が快適に過ごせるようにと樹木の剪定(せんてい)や芝刈りに余念がない

▼1970年ごろに町出身の古典文学研究者が、さまざまな桜を一堂に集めた公園造りを思い付き、役場に働き掛けたのがきっかけだ。ふるさと振興のためだった。ちょうど公園整備の計画が持ち上がっていたから、とんとん拍子で話が進んだ。日本桜の会から寄贈された苗を皮切りに順次植樹が進められた

▼その歴史的経緯は、町が昨年刊行した冊子「日本国花苑ものがたり」に詳しい。多くの町民や町出身者が他にはない名所にしようと知恵を絞り、皆で力を合わせたからこそ、花いっぱいの誇れる公園となった

▼一角にはバラ園もあり、人気スポットとなっている。秋のバラは、いまが見頃だ。「手入れが行き届いているから、いつ来ても楽しめる」と佐藤さん。花との出合いが生活に潤いを与えている。