北斗星(10月5日付)

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 「診察室で、医師の質問に答えるのが精いっぱいで、本当に伝えたかったこと、聞きたかったことを口に出せなかった」「治療方針の説明を受けたけれど、どうしていいのか分からずに迷った」。こんな体験をしたことのある人は多いのではなかろうか

▼患者や家族の不安をじっくりと聞き、思いを受け止めて、納得できる医療を受けられるように医師に伝える「懸け橋」役を担っているのがメッセンジャーナースと呼ばれる看護師たちである。まだ認知度は低いが、じわじわと活動の輪は広がっている

▼美郷町出身で日本初の在宅看護事業を始めた村松静子さん(72)が、自らカリキュラムと研修制度を作り、2010年に認定協会を設立した。現在は全国で127人にまで増えている

▼秋田市の作左部紀子さん(56)は県内で唯一のメッセンジャーナース。大学の恩師でもある村松さんから「秋田で根付かせてほしい」と要請され、この道に入った

▼秋田赤十字乳児院に勤務し、週1回は秋田赤十字病院小児科外来でもメッセンジャーナースとしての役割を果たしている。診察後に子どもの母親らから話を聞いて、医師に伝えるなどしている。「患者に寄り添うのが看護の原点。この役割はこれからの時代もっと必要とされる。他の医療機関にかかっていても遠慮せずに相談してほしい」と話す

▼メッセンジャーナースをテーマにした講演会が来月2日、秋田市で村松さんを招いて開かれる。活動を知る絶好の機会である。