社説:地域共生サミット 支え合い広げる契機に

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 自治体やNPO法人などが地域づくりについて考える「地域共生社会推進全国サミット」が、あす10日から2日間の日程で湯沢市の湯沢文化会館を主会場に開かれる。将来にわたり持続可能な地域をどう構築していくかは全国共通の課題だ。官民で議論を深めてほしい。

 介護保険の導入に合わせ、全国の市町村の持ち回りで2000年に始まった「介護保険推進全国サミット」が前身。厚生労働省を交え、高齢者福祉の充実などを目指して議論を重ねてきた。だが人口減や少子高齢化が急速に進む中で地域の担い手が少なくなり、懸念が一層高まる中、住民が積極的に地域に関わる機運を醸成する目的から昨年、地域共生を前面に掲げるサミットに改めた。県内では介護保険サミットを含めて初の開催となる。

 サミットには、秋田県と湯沢市など県内21市町村を含め、全国の自治体や厚労省、福祉団体、NPO法人の関係者ら、合わせて約千人が参加する予定だ。パネルディスカッションや対談を通じて地域共生社会の在り方を探るほか、高齢者の足を支える交通手段の確保や人材不足への対応などをテーマに分科会を開き、議論する。住民と行政が連携し、より良い地域づくりにつなげるためのきっかけにしたい。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、45年の国内総人口は15年比で2千万人減の1億642万人、本県は42万人減り約60万人となる。65歳以上の高齢者の割合は全国が36・8%、本県は50・1%と推計される。地域の衰退に歯止めがかからず、この先さらに深刻化することを踏まえて、どう対応すべきかを真剣に考えなければならない。

 政府は1億総活躍プランに「地域のあらゆる住民が役割を持ち、支え合う」との文言を盛り込んだ。地域力強化に向け、課題解決に取り組む市町村や住民に補助金を交付して支援を進めている。

 地域で支え合う共助の取り組みは徐々に増えてきた。県内では12年に横手市内の山間部4地区で雪下ろしを目的とした共助組織が設立されたのを皮切りに、ワゴン車送迎による交通支援や買い物弱者対策などが各地で展開されている。実に心強いことだ。こうした支え合いの輪を広げていってもらいたい。

 ただ、担い手となる人材が高齢化し、共助もままならない地区が少なくないほか、共助組織ができている地区であっても、さらに高齢化が進めば維持が難しくなるのは必至だ。その場合は国や自治体がしっかりサポートする必要がある。

 高齢化の進展に伴い、引きこもりの子が50代、親が80代で困窮する「8050問題」などが深刻化することへの目配りも必要だろう。地域が抱えるさまざまな問題を共有し、解決策を見いだしてほしい。