穏やかな渓流、わずか30分で激流に ツアー客が状況証言

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 穏やかな渓流は、わずか30分ほどで激流に一変し、バランスを崩した2人を一瞬でのみ込んだ。小又峡の水難事故から一夜明けた9日、秋田県仙北市内で取材に応じたツアー参加者の証言などから、事故当時の詳細な状況が浮かび上がってきた。

 8日正午ごろ、雨が強まったため、一行は名所の「三階滝」を目指す途中で引き返し、往路で通った橋に再び差し掛かった。橋の下を流れる渓流の勢いを前に、茨城県から参加した60代女性はたじろいだ。20~30分前に通った時は穏やかだった流れが、茶色く濁ってうねっていたからだ。

 水位も急激に上がっており、対岸の遊歩道からせり上がる橋の階段の一部が漬かっていた。階段を下りた先、安全な遊歩道まで数メートル、深さ30センチほどの激流の中を歩かなければならなかった。

 小野さんはその危険な数メートルの橋渡し役になるため、対岸の階段を下りた先の流れの中で下流側に立った。「急がないで。ゆっくり歩こう」と声を掛け、一人一人を両手で支え安全な場所に誘導した。

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