北斗星(10月10日付)

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 雪にまみれた石仏が並ぶ写真がアルバムに収められている。20年余り前の11月初め、森吉山頂で撮影した写真だ。登り始めは晴れていたが、途中から雪が降りだし、登頂後は、ほうほうの体で下山した

▼自分も仲間も吹雪に見舞われるとは予想していなかった。たぶん使わないだろうと思いながら雨具とセーターは持参していた。それがなかったら大変だった。反省点の多いほろ苦い山行として記憶に焼き付いている

▼森吉山麓の北秋田市森吉の小又峡(こまたきょう)で一昨日、女性ツアー客と男性ガイドの2人が渓流に流された。女性は救助されたが病院で死亡が確認され、男性は昨日夕方時点でも行方不明という痛ましい事故だ

▼10月初めの県内は秋とは思えない暑い日が続いた。2日は秋田地方気象台の25観測地点で最高気温25度以上の夏日となり、北秋田市鷹巣では28・6度と10月の観測史上最高を記録。その暑さは台風18号から変わった低気圧が東へ遠ざかった5日を境に秋の空気に入れ替わった

▼山間部では最低気温が10度以下になることも珍しくなく、木々は彩り豊かだ。そんな折、山麓の紅葉を楽しみに本県を訪れたツアー客とガイドが事故に遭ったのが気の毒でならない

▼山の天候は不安定で、季節の変わり目は要注意だ。沢筋では雨量がわずかでも、上流部の雨が思いがけない増水につながることもある。紅葉を目当てに行楽客が山に入る機会が増える季節だ。天候次第では危険と隣り合わせであることを忘れずに。