県内大学の研究から[県立大・金澤伸浩准教授]リスクリテラシー

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「リスクマネジメント」の講義風景。この日は学生33人中、2人が赤いピンを引いたものの、2回目は外したため「万が一」は起こらなかった
「リスクマネジメント」の講義風景。この日は学生33人中、2人が赤いピンを引いたものの、2回目は外したため「万が一」は起こらなかった

 例えばここに、99本の白いピンと1本の赤いピンが入った袋がある。白いピンは全て、針を取り除いてある。中身を見ずに袋に手を入れ、1本を選ぶ。このとき、赤いピンを引くリスクは「100分の1」。2回続けて赤を引くリスクは「1万分の1」、つまり「万が一」だ。数値で表すと「10のマイナス4乗」のリスクということになる。

 ところが、同じ場面で「痛い思いをする」ことをリスクだと仮定すればどうか。赤いピンを引いて必ずしも針が指に刺さるわけではないから、リスクは先ほどより確実に小さくなる。

 赤いピンを引くことか、痛い思いをすることか―。リスクの捉え方は人によって異なる。こうしたさまざまな「起きてほしくないこと」を設定し、共通の物差しとするのがリスクリテラシーだ。県立大システム科学技術学部の金澤伸浩准教授(52)は、個人や組織が備えとして、こうした考え方を身に付けるための研究に取り組む。

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