北斗星(10月14日付)

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 東京都の多摩川、長野県の千曲川、福島県の阿武隈川など、各地で河川が氾濫した。堤防が決壊、濁流が住宅地まで流れ込んだ地域は一面茶色の水に覆われた。「住宅1階の屋根まで水が来ている」などの通報が相次ぎ、2階の屋根から手を振り救助を待つ人もいた

▼台風19号の通過に伴う猛烈な雨は関東、東海、東北、甲信越など広い範囲に大きな傷痕を残した。多数の犠牲者や行方不明者が出ている。人命第一での救助、捜索はもちろん、堤防の復旧工事など生活再建に向けた作業も急がなくてはならない

▼今回の台風は雨雲のサイズが大きく、中心付近が通る地域では強風とともに、長時間にわたって強い雨が続いた。各地で年間降水量の30~40%に相当する雨がこの1、2日間で降った

▼気象庁は「数十年に1度」の雨量が想定され、重大な災害が起こる恐れが著しく高まっているとして、過去最多の13都県で大雨特別警報を発表。テレビでは「命を守る行動を取ってください」とアナウンサーらが繰り返した

▼「数十年に1度」が立て続けに起きている。昨年の西日本豪雨、一昨年の九州北部豪雨でも発表されている。気象災害に対しては、日ごろからの備え、警戒が必要な時代になった

▼本県では10月としては記録的な風雨を観測。住宅損壊や崖崩れなどがあったものの、人的被害はなかった。気象災害から命を守るためには危険な場所に近づかないこと、早めの避難が大切であることを改めて心に刻みたい。