佐藤選手、こつこつ頑張る努力家 東京五輪代表秋田県勢1号

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NHK杯国際スラローム大会の女子カナディアンシングル準決勝で五輪出場を決めた佐藤選手=カヌー・スラロームセンター
NHK杯国際スラローム大会の女子カナディアンシングル準決勝で五輪出場を決めた佐藤選手=カヌー・スラロームセンター

 「不器用だがこつこつ頑張る努力家」。2020年東京五輪カヌー・スラロームの女子カナディアンシングル(C―1)代表に決定した佐藤彩乃選手(22)の周囲の評だ。マイペースで東京五輪への歩みを着実に進めてきた。

 神代中に入り、知人に誘われてカヌーを始めた。初めはカヤック(両端にブレードのついたパドルで水をかく)に取り組んだ。急流で艇がひっくり返って流されても怖がらず、弱音を吐くことはなかったという。

 高校2年でカナディアン(片方にブレードのついたパドルで艇を進める)に転向。女子C―1は五輪種目になかったが、近い将来採用される可能性があるとコーチに教わり決意した。カナディアンの身近な先輩で、日本A代表の佐々木将汰(万六建設)らへの憧れもあった。

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最終選考会家族も応援

佐藤選手のレースに声援を送る(左から)父保さん、妹千絢さん、母正美さん

 2020年の東京五輪カヌー・スラロームの女子カナディアンシングル代表に仙北市田沢湖出身の佐藤彩乃選手(22)が20日決定し、県勢の五輪代表第1号となった。これまで佐藤選手を支えてきた家族や恩師、競技関係者からは、これまでの努力をねぎらうとともに、本番での奮起を期待する声が聞かれた。

 最終選考会が開かれた東京都江戸川区のカヌー・スラロームセンターでは、親族と所属先などの約20人が声援を送った。佐藤選手は大会前のポイント争いで先行していたが、逆転される可能性があった。日本選手の順位が大方決まり、代表決定がほぼ確実になると、応援団の席には次々と関係者が訪れて「おめでとうございます」と握手を交わす姿が見られた。

 父保さん(48)と母正美さん(47)、妹の千絢(ちひろ)さん(15)の家族3人もレースを見守った。保さんは「本人が目標にしていた五輪が決まり、夢を見ている感じ。本当によく頑張ったと言ってあげたい」と話した。正美さんは目に涙を浮かべ「いろんな方々に支えられて、感謝しかない。チャンスをもらえたので、五輪でお世話になった人たちに恩返ししてほしい」と語った。

 所属先である秋田病理組織細胞診研究センターの阿部一之助社長(65)も声援を送った。練習拠点を置く中欧スロベニアでの長期滞在もサポート。「一緒に五輪出場という夢を見てきた。ほかの選手に比べて体が小さく、一時期スランプもあったがよく乗り越えた。これからも社員みんなで後押したい」と目を細めた。

 ただ、この日の佐藤選手は自力での決勝進出を逃し、最終レースでもミスが相次いだ。競技を始めるきっかけをつくった県協会理事の佐藤隆悦さん(70)=仙北市、飲食店経営=は「今まで見た彩乃のレースで最悪と言っていい」と厳しい言葉。だが「来年までまだ時間はある。五輪と同じ場所で練習もできるはずで、きっちりトレーニングしてほしい」とエールを送った。

 中学、高校時代から指導してきた日本連盟スラローム強化委員長の馬場昭江さん(57)=大仙市、会社員=も「一からやり直しが必要。やるべきことが山ほどある」と指摘。「昔から『いつか五輪に出よう』と話してきたことが現実になった。心(しん)の強い選手なので、きっと成長してくれるはず」と期待を込めた。

 佐藤選手は角館高(入学時は角館南高)時代、カヌーに打ち込む傍ら、書道部にも在籍。当時、部活の顧問を務めた千葉智子さん(47)=西仙北高教諭=は「いろいろなことに興味を持って挑戦する生徒で、海外遠征から帰ってきた翌日も学校を休まず、部活も頑張っていた。積み重ねた努力が実り、本当にうれしい」と話した。