雄物川氾濫から2年余、進む整備 秋田県、支流4河川で実施

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 台風19号による大雨で東日本の河川が相次ぎ氾濫し、治水事業の重要性がクローズアップされる中、秋田県でも雄物川水系を中心に堤防の建設やかさ上げが進んでいる。だが、計画水準に満たない区間が残る上、近年は豪雨災害が全国で頻発しているため、流域の住民からは不安の声も聞かれる。整備を進める国や県はハード事業に加え、迅速な避難誘導などのソフト対策を市町村と共に推進し、防災や減災につなげたい考えだ。

 国土交通省は、17年の雄物川氾濫を受けた「激甚災害対策特別緊急事業」として、大仙市神宮寺から秋田市雄和までの流域約27キロで堤防の整備を進めている。今年10月時点で、大仙市内の工区の進捗(しんちょく)率は予算ベースで47%、秋田市内の工区は18%。大仙市の寺館・大巻工区は総延長6・7キロで、22年度中に完成の予定だ。

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「バックウオーター現象」対策など進める

堤防のかさ上げ工事が急ピッチで進む楢岡川=大仙市南外

 秋田県は、雄物川の支流のうち大仙市と横手市の4河川で、堤防整備や河道掘削、橋の架け替えなどの改良復旧事業を進めている。県河川砂防課によると、事業期間は2017~21年度で、今年10月時点の進捗率は74%(予算ベース)。本年度が事業のピークとなっており、全て完成するのは22年度中の見通し。総事業費は約300億円。

 4河川は淀川、土買(つちかい)川、楢岡川(以上大仙市)と上溝川(横手市)。17年の雄物川氾濫で流域の浸水被害が特に大きかった。

 このうち、大仙市の3河川では、流下能力を超える大雨で洪水が発生した上、本流の雄物川の増水によって流水がせき止められ、水位が急上昇する「バックウオーター現象」が起こった。台風19号の被災地でも同様の状況が確認されている。

 改良復旧事業は、この際の水位を想定した高さの堤防を整備し、住宅の浸水被害を防ぐことを主眼に置く。このうち、楢岡川は3・3キロ区間で川幅を広げ、上流から中流の堤防を高い所で2~3メートルほどかさ上げする。また、下流側の一部区間はバックウオーターに備えて3メートル以上かさ上げし、完成時の高さを5・5メートルとする計画だ。

 県は防災、減災のためソフト対策も重視。市町村が進める避難計画やハザードマップの作成、避難情報伝達手段の多様化といった取り組みを支援するとしている。