北斗星(11月9日付)

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 マレーシアからの留学生は来県した当初、自転車に乗るのが恥ずかしかったという。母国では自転車は子どもの乗り物で、大人はほとんど使わないからだ。今では食料の買い出しに欠かせない交通手段になっている

▼なるほど、文化の違いとはそんなところにもあったのかと気付かされる話だった。秋田ユネスコ協会が秋田市で開いた外国人による日本語スピーチコンテストの発表である。コンテストでは、欧米やアジア、アフリカの12カ国の計17人が母国や日本での経験、それを通じて思ったことを語った

▼モンゴルからの留学生が取り上げたのは一言のあいさつの力だった。秋田での生活に慣れず不安で夜も眠れなかった頃、出掛ける時に寮の管理人から「行ってらっしゃい」と声を掛けられた

▼モンゴルには相当する表現がなく、最初は何を言っているのか分からなかった。「元気で帰って来てね」という愛情のこもった言葉と知り励まされた

▼発表者が選んだテーマはバラエティーに富んでいる。ドイツと日本のバウムクーヘンの違いを考察したユニークな発表もあった。日本語の難しさと魅力を語る人もいた。秋田で暮らす外国人にとって、県人は気付かなくても文化の違いは多いということだろう

▼本県も今後、海外からの観光客や労働者が増加していくと予想される。国際交流の場を増やし、異文化間の相互理解を積み重ねる必要がある。国籍や民族などにかかわらず誰もが暮らしやすい秋田をつくりたい。