北斗星(11月12日付)

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 日本語では「小春日和」、英語では「インディアン・サマー」と表現する。晩秋から初冬の頃の穏やかで暖かな天候を指す。同じ意味合いの言葉でも日本語は春、英語は夏と、違う季節を用いていることが興味深い

▼まさに小春日和の一日。天皇、皇后両陛下が、即位を国民に披露する「祝賀御列(おんれつ)の儀」に臨まれた。陛下はえんび服に勲章を着け、皇后さまは白のロングドレスにティアラ姿。柔らかな日差しを浴びて、ティアラがきらきらと輝いていた

▼沿道には大勢の人が詰め掛けた。日の丸の小旗が振られ、祝福の歓声が上がった。29年前の前回の即位パレードとは違い、スマートフォンを手に写真を撮る人が目立った。これも時代の流れである

▼八峰町で水産加工会社を営む小林優大さん(33)はテレビでその様子を見た。秋田市で9月に開かれた「全国豊かな海づくり大会」で、陛下から言葉を掛けられ、とても身近に感じたことを思い出したという。「パレードではお二人とも明るい表情で、特に笑顔が美しかった」と話した

▼パレードは台風19号の甚大な被害を受けて延期されていた。パレード前日の「国民祭典」でも、陛下は「深く心を痛めています」と被災者を気遣った

▼上皇ご夫妻は戦没者慰霊の旅や被災地への訪問を精力的にこなしてきた。陛下からはその活動を継承する強い気持ちがうかがわれる。即位の礼のお言葉にも盛り込まれたように国民に寄り添いながら、新しい時代を歩んでいただきたい。