時代を語る・矢口高雄(20)「そんなもの」で発奮

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最後の行員生活を送った大館支店(羽後銀行80年史)
最後の行員生活を送った大館支店(羽後銀行80年史)

 「バリバリ氏のトゲ」という作品があります。昭和44(1969)年4月に赴任した大館支店での日常をつづったものだね。その支店を気合満点で取り仕切っていたのが30代で大抜てきされたやり手の支店長、つまり「バリバリ氏」。

 朝礼のスピーチで私が自己紹介の意味も込めて「子どもの頃から漫画が好きで、この前、念願の初入選を果たしました」と話したことがあった。バリバリ氏の講評は「ここは趣味の話をする場じゃない」と厳しかった。その口調に鋭いトゲのようなものを感じたんだ。胸でチクチクうずくトゲは日に日に増えて化膿(かのう)した。

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