東京・小笠原産カカオでチョコ 製菓会社社長らの夢が実現

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東京・小笠原諸島の母島で栽培したカカオで製造した「TOKYO CACAO」=東京都内
東京・小笠原諸島の母島で栽培したカカオで製造した「TOKYO CACAO」=東京都内

 東京・小笠原諸島の母島で栽培に成功したカカオを使ったチョコレートが完成し、今秋発売が始まった。商品名は「TOKYO CACAO」。着想から16年がかりのプロジェクトが実現した。

 きっかけは、平塚製菓(埼玉県草加市)の平塚正幸社長(69)が2003年にガーナのプランテーションを訪れ、鈴なりに実ったカカオを見たこと。「この木が身近にあったらどんなに楽しいだろう。日本で採れたカカオでチョコを作ってみたい」と夢見た。

 「東京産」のブランドを掲げようと、栽培地を小笠原諸島に決定。10年には母島の農家折田一夫さん(71)を訪問した。「平塚さんの『東京産を』という発想に驚かされた」と、折田さんもカカオ栽培に興味を持つようになり、インドネシアの農園を一緒に視察して栽培方法を学んだ。

 開墾から始めて、12年にハウス栽培を開始し、13年には実がなった。平塚製菓では発酵の研究も重ね、15年にチョコの試作品ができた。

 現在、約4500平方メートルの農地に、約500本のカカオの木を栽培中だ。今年は約1トンのカカオ豆を収穫し、商品化にこぎ着けた。

 「TOKYO―」は、マイルドでフルーティーな味わいだ。約6センチ四方のチョコが2枚入りで、3240円。商品のブランドサイトで販売(2万個限定)している。

 平塚さんはフランス産ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」を例に「チョコレートファンにその年ごとの味わいをも楽しんでもらえるものにしたい」と話している。