社説:美郷町15周年 一層の魅力向上を図れ

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 「平成の大合併」で県内第1号となった美郷町が発足15周年を迎えた。人口2万人弱と決して大きな規模ではないが、県外企業と連携して活性化を図るなど、ユニークなまちづくりを進めている。15周年を契機に町の魅力を一層磨いてほしい。

 2004年11月1日、千畑、六郷、仙南の3町村が合併して誕生した。面積は168平方キロメートル。県内25市町村では狭い方から4番目のコンパクトさだ。古くから住民の交流が盛んで、役場や議会も緊密に連携していた。そんな素地があり、合併協議は比較的スムーズに進んだ。

 町はこの15年間で、310人だった職員を219人まで絞り込んだほか、事業の取捨選択を徹底して無駄を省き、財政基盤を強化。18年度決算では、人件費など義務的経費の割合を示す経常収支比率は県内で最も低い84・6%となった。借金返済額の割合を示す実質公債費比率も県内最低値の2・5%だった。行政運営の自由度が他市町村より高いことを意味し、評価に値する。

 既存施設を最大限活用しながら、公共施設の再編を積極的に進めた点にも注目したい。千畑には役場、六郷には中学校と図書館、仙南には体育館と公民館を配置し、地域バランスを取った。これを基本に住民の利便性をさらに高めるよう、改善を重ねることが求められる。

 町オリジナルの白色ラベンダー「美郷雪華(せっか)」を品種登録。ラベンダーから採取した酵母を使って日本酒や食品の開発を進めてきたことも特色である。

 町は一昨年、町民アンケートを実施した。高齢者福祉や教育、農林業・商業振興など27の施策について「満足」「やや満足」が90%前後となり、高評価が目立った。

 しかし、他市町村と同様、人口減少は深刻だ。先月末時点の人口は1万9424人。合併時の2万3973人から約2割、4500人ほど減った。若い世代の町外への流出の抑制、交流人口の拡大、移住・定住の促進などにより、人口減に歯止めをかけることが急務である。

 町は龍角散や日本航空、スポーツ用品のヨネックス、アウトドア用品のモンベルなど、大手企業と連携協定を次々に締結。「生薬の里」を目指したキキョウなどの生薬原料の栽培や、冬の観光資源を活用した旅行商品の開発、スポーツ教室開催による町民の健康増進などに取り組んでいる。また、来年の東京五輪ではタイのバドミントンチームの事前合宿地に決まった。タイとは中学生同士の交流も行っている。

 各企業のノウハウを生かしたり、積極的に国際交流を進めたりすることで、地域活性化や産業振興を実現したい。企業との連携は、大都市の住民へのPR効果もあるだろう。これらを通じて町の魅力をアップし、Uターン者、移住者の増加につなげなければならない。