北斗星(11月17日付)

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 食卓で子どもたちにお茶をついでいる女性の口から、子どもたちにしぶきが飛び散っている様子が描かれている。「ハヤリカゼはこんな事からうつる!」というコピーがある

▼1918年秋、スペイン風邪が流行した際、感染者がマスクもせずにせきをすると他の人にうつりやすいことに注意を促そうと、国が配布したポスターだ。スペイン風邪はインフルエンザの史上最悪の世界的大流行として知られる。21年春までに日本人の約半分が感染、40万人もの死者が出たという

▼当時の内務省衛生局がまとめた報告書「流行性感冒」(平凡社)には国だけでなく各地方の予防措置も紹介されている。本県では、流行が甚だしい時期は特に「劇場、寄席、活動写真館等の入場者、乗合自動車、馬車等の乗客」にマスクを着用させたとある

▼今季もインフルエンザの全国的な流行が始まった。厚生労働省によると、例年並みだった昨年より1カ月ほど早い。県内でも既に大館市の保育園、湯沢市の小学校で集団発生があった

▼厚労省は「せきエチケット」を呼び掛ける。せき・くしゃみが出るときは今でもマスク着用が第一。とっさの場合はティッシュペーパーや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ1メートル以上離れるよう勧めている

▼自分が感染源にならないための心掛けだ。予防接種は一定の効果があるが安心はできない。こまめな手洗いも励行し、うつす側にも、うつされる側にもならないよう注意したい。