ひとり考:苦手と向き合う(上)「空気」読めずに苦悩

お気に入りに登録
※写真クリックで拡大表示します
ボールペンで細やかに線を描き込む
ボールペンで細やかに線を描き込む

 道具は、ペン先0・25ミリのボールペンのみ。滑らかな曲線と細やかな線描で「人間らしくて人間ではない生き物」を描き出す。人の顔をしていても、足は獣であったり、翼があったり。生き物それぞれに物語があるようで、その世界観に引き込まれる。

 作者は秋田市のクリエーター・ツクシフカコさん(33)=本名・齊藤つくし。発達障害の一種であるアスペルガー症候群と向き合いながら生活している。

 ◇  ◇

 ツクシさんは突然の予定変更が苦手。だから変更した場合の計画も、頭の中でシミュレーションして対応できるようにしている。

 記憶力は抜群で、過去にどんな会話をしていたかまで覚えている。絵のアイデアはメモをしなくても忘れることはない。言葉はそのまま受け取ってしまう傾向があり、「社交辞令が苦手」と話す。

 小学生の時のこと。学習発表会の準備で、先生が「カニの絵に色を塗ってください」と言った。「虹色のカニならすてきだろう」。そう思ったツクシさんは、カニを虹色に塗った。先生はそれを見て注意した。

(全文 1313 文字 / 残り 878 文字)

この連載企画の記事一覧