社説:COP25開幕 温暖化に歯止めかけよ

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 国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が2日、スペイン・マドリードで開幕した。地球温暖化対策を進めるため、2015年に採択された「パリ協定」が来年1月から本格始動するのに合わせ、各国・地域の代表や研究者らが13日まで議論を重ねる。

 パリ協定の実施ルールは昨年のCOP24で大筋が固まったが、温室効果ガス削減分を国際的にやりとりして目標達成に充てる仕組みなど、詰めの協議が積み残されていた。洪水や干ばつ、猛暑につながる危機的な温暖化に歯止めをかけるためには、各国の結束が不可欠である。実効性のある制度となるよう、ルール作りをしっかり進めてほしい。

 パリ協定は、世界の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロとし、18世紀後半から19世紀にかけて起きた産業革命以前と比べた気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目標にしている。そのために各国が排出量の削減目標を掲げ、対策を進める。5年ごとに目標を見直して提出する仕組みもつくられた。

 だが現状は深刻である。国連環境計画(UNEP)がCOP開幕を前に公表した報告書によると、世界の18年の温室効果ガス排出量は553億トンと過去最高になった。このペースで排出が続けば、今世紀末には気温上昇が3・4~3・9度に上り、各国がパリ協定に基づく目標を達成したとしても、3・2度に達する計算だ。

 国連のグテレス事務総長は「温室効果ガスの排出は驚くべき速さで増えている」と警鐘を鳴らした。もはや削減に後ろ向きの姿勢は許されないということだろう。各国は温暖化防止に向け、計画を前倒しして進める必要がある。

 温室効果ガスの排出量が世界で2番目に多いにもかかわらず、パリ協定からの離脱を国連に通告した米トランプ政権は、無責任のそしりを免れない。自分たちだけ排出規制を免れようとする姿勢を改め、速やかにパリ協定に復帰するべきだ。各国には粘り強く復帰を働き掛けてもらいたい。

 日本も温暖化防止に向け、世界の潮流に乗っているとは言い難い。「30年度に13年度比で26%削減」との目標を掲げているものの、温室効果ガスを多く排出する石炭火力発電に依存し続けている。

 UNEPからは、石炭火力発電所の新設をやめ、既存の施設についても段階的に廃止する計画を策定するよう促された。政府はこの指摘を重く受け止め、温暖化対策を見直すべきだ。

 温暖化対策の強化を求める運動が、若者を中心に世界に広がっているのは心強い。いずれも地球の将来を見据えた切実な訴えである。各国のリーダーはこれらの声に真剣に耳を傾け、対策に全力を挙げなければならない。