ひとり考:苦手と向き合う(下)人と違う自分に自信

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ボールペン画のほか、アクセサリーや人形などの制作に日々打ち込んでいる
ボールペン画のほか、アクセサリーや人形などの制作に日々打ち込んでいる

 みんながまとまってご飯を食べている中で、一人だけ早く食べ終わり、虫を観察して遊んでいる。秋田市のクリエーター・ツクシフカコさん(33)=本名・齊藤つくし=が幼稚園に通っていた時の光景を、母親の奈緒美さん(59)は覚えている。

 「この子はみんなと一緒に遊ばないんだ」と思った。ツクシさんがアスペルガー症候群だと知る、ずっと前のことだ。

 ツクシさんがアスペルガー症候群と診断されてから、奈緒美さんは関係する本を買いあさって勉強した。対人関係につまずき、深く悩むツクシさんを見て「学校はもう、こだわらなくていいんじゃない?」と言葉を掛けた。

 だがツクシさんは、「高校を卒業しないと前に進めない」と思った。21歳で県内の通信制高校に入学した。

 「あの頃は、体調面も精神面も、ぼろぼろだった」とツクシさん。奈緒美さんはふらふらと歩くツクシさんの両脇を抱え、一緒に電車に乗って学校まで行った。しゃがんで立たせてを、繰り返した。テスト前になると、プレッシャーから具合が悪くなった。1、2年目は何度も「学校を辞めたい」と思った。

 それでも通い続けられたのは、奈緒美さんの支えがあったからだ。

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