時代を語る・安藤恭子(9)農大醸造科、初の女性

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東京農大醸造科に進学した頃=昭和29年
東京農大醸造科に進学した頃=昭和29年

 みそ、しょうゆ造りに欠かせない麹(こうじ)を入れる底の浅い木箱を「だし」と呼びます。女の人でも普通7枚ぐらい運べますが、中学、高校時代の私は非力なのか3枚ぐらいしか持てませんでした。それでも長女として責任を果たし、家業を継ごうと決めていたので、「力はないけれど、やってやろうじゃないの」という気持ちでした。

 そこで昭和29(1954)年、東京農大の醸造科に進学しました。戦後、人口が増えるのに伴い、みそ、しょうゆの消費も増え、原料の大豆や小麦は外国産が大量に入ってくるようになりました。原料が違えば、新しい発酵技術が必要になるだろうから、醸造について詳しく学ぼうと思ったのです。

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