北斗星(12月7日付)

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 秋田市外旭川の草生津(くそうづ)川の近くにあるガソリンスタンドが建て直しのため解体された。更地になって見晴らしが良くなると、地下から原油をくみ上げるポンピングユニットと呼ばれる機械2基が見えるようになった

▼外旭川から八橋に至る草生津川沿いでは多くのユニットが稼働している。八橋にある展示用ユニットの説明板「八橋油田の歴史と現況」には「これまでに掘った井戸1240本(現存48本)」とあった

▼この秋、全国から秋田市を訪れた県外客を案内して観光バスに同乗した際、車窓から見えたユニットを秋田らしい風物として紹介した。石油が採れるのは新潟県や北海道などに限られるので珍しがられた

▼宿泊先である秋田市の温泉の大浴場に掲示されていた「石油を掘削しようとしたところ温泉が湧出した」との由来にも驚かれた。三種町の森岳温泉も同じ由来と聞いたことがある。こうした温泉も「産油県」ならではか

▼石油掘削で湧出した温泉や稼働するユニットは、かつて本県が石油王国といわれた歴史を今に伝える貴重な存在。地元では当たり前の光景でも遠来の客の目には新鮮に映るようだ

▼ユニット近くから日本海側に秋田火力発電所の煙突と風力発電の風車が並んで見えた。化石燃料を使う火力発電は温室効果ガスを発生させるとして逆風下にある。新エネルギーの風力は大きな期待の半面、景観や健康被害への懸念もある。未来のエネルギーは模索が続くが、その時間は限られている。