時代を語る・安藤恭子(10)実験室で夫と初対面

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東京農大の実験室で同級生たちと(左端)=昭和30年
東京農大の実験室で同級生たちと(左端)=昭和30年

 東京農大醸造科の同級生たちは、お世辞にも真面目とはいえませんでした。酒蔵やみそ、しょうゆ屋の跡継ぎで、分かりやすく言えばぼんぼん。実家に入る前にちょっと醸造のことを勉強しておこうかという人が多かったのです。

 だから学校をサボったり、授業中に居眠りをしたり。私はちゃんと授業に出ていたので、試験が近くなるとよくノートを貸してほしいと頼まれました。その代わり、実験の力仕事はやってもらうんです。「教科書を全部貸してくれ」とお願いされたこともあります。理由を尋ねると、「親が上京してくるが、教科書を質に入れてしまった。部屋の本棚に並べておかなければならない」という答え。あきれてしまいました。

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