ひとり考:初めてのおすし 食べる喜びそれぞれに

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生まれて初めてすしを食べた男の子(左)。母親と顔を見合わせ、うれしそうに笑った
生まれて初めてすしを食べた男の子(左)。母親と顔を見合わせ、うれしそうに笑った

 玉子の握りを頬張り、ゆっくりかんでのみ込む。生まれて初めてすしを食べた男の子(14)=秋田市=がにっこり笑った。向かいに座る母親(49)はその姿を見て涙ぐんだ。

 重い障害のある人が通う「障がい福祉サポートセンター聖和」(秋田市)。11月上旬、その一室が1日限りのおすし屋さんになった。

 握ったのは、回転ずし店「すし江戸」と居酒屋「和バルすしえど」を営むブレーンリンク・ダイニング(岡本知幸社長、本社秋田市)の職人。お客さんは施設の利用者とその家族だ。特設したのれんをくぐると「いらっしゃいませ!」と威勢のいい声が飛び交う。かけがえのない「一人一人」のための、特別なすし店だ。

 男の子は食道の病気で、生まれた時から胃ろうと腸ろうを通して栄養を取ってきた。今春から少しずつ口から食べる方向に切り替え、1カ月前、胃ろうと腸ろうを外すことができた。

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