北斗星(12月12日付)

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 スポーツをする上でルールを守るのは大前提である。どの競技者にも公平に課されるルールがあるからこそ、その下で技を磨いて戦術を工夫し、正々堂々と戦うことができる

▼ドーピングは薬物を使用したり、禁止物質を含む食品を摂取したりして競技力を高める行為だ。ルール違反であり、隠蔽(いんぺい)も許されない。不注意で摂取しても処分される

▼自分さえ良ければいいと、薬物などに頼るのはフェアプレーの精神に反する。世界反ドーピング機関(WADA)はロシア選手団の東京五輪・パラリンピックなど主要大会への出場を、4年間禁止した。組織的にドーピング検査のデータ改ざんを続けたためだ

▼世界のスポーツ界から締め出される過去最大級の厳罰。ロシアはスポーツ仲裁裁判所への提訴を考えているようだが、処分が覆ることはなさそうだ。東京大会では五輪、パラとも潔白が証明された選手だけが個人資格で参加することになる

▼ドーピングではないが、日本では陸上長距離の選手による貧血治療用の鉄剤注射の使用が問題となっている。持久力が向上するが、頻度が高いと健康を損ねるため、原則禁止されている。近く開かれる中学や高校の全国駅伝では使用状況の申告などを求められる事態になった

▼国威発揚のためにスポーツを利用してきたロシアは、勝利至上主義が行き過ぎるとどうなるかを示している。ドーピング根絶は世界共通の課題である。若者の夢を裏切らないスポーツ界であってほしい。