ひとり考:数学おしゃべり会 普通である必要ない

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数学おしゃべり会で仲間と問題を解く高橋さん。室内には数学の本が並ぶ
数学おしゃべり会で仲間と問題を解く高橋さん。室内には数学の本が並ぶ

 12月1日、日曜日。黒いスーツケースを引いた高橋孝治さん(24)=秋田市=が市役所にやって来た。借りていた一室に長机を用意し、スーツケースを開く。中にぎっしり詰まった書物を次々に取り出し、机に並べていく。

 「微分と積分」「インドの数学」「虚数がよくわかる」「数学ガール」―。全て数学の本や雑誌だ。将棋などのゲームもある。

 午後1時。会場の準備が整い、月に1度の「数学おしゃべり会」が始まった。

 集まるのは毎回5人ほど。社会人に高校生、時には小学生の親子連れが参加することもある。一緒に数学の問題を解いたり数学の話をしたり、並んだ本をめくったりと、それぞれ自由に時間を過ごす。不思議なことに「数学が特に好きではない」という人も訪れる。

 「数学って、人々の反応を引き出しやすい学問だと思うんです。『一体、数学のどこがいいの?』という人、数学への苦手意識とともに『得意になりたかった』という憧れがある人…。ここは数学好きの会ではあるけれど、無理に数学をしなくていいし好きになる必要もありません。数学をする人がいる『場』を楽しんでほしい。そういう会です」と高橋さんは語る。

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