北斗星(12月22日付)

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 鹿角市の大湯環状列石の二つのストーンサークルは中心を結ぶ線を西側に延ばすと夏至の日没の方角と一致する。夏には夕日を見るイベントが恒例だ。その線を東に延ばせば冬至の日の出の位置を指す。きょうは冬至。縄文人はどんな思いでこの日を迎えたのだろうか

▼大湯環状列石と北秋田市の伊勢堂岱遺跡を含む17遺跡で構成する「北海道・北東北の縄文遺跡群」を、政府が世界文化遺産候補として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することになった。本県をはじめ4道県は2013年以来、7回目の挑戦。ようやくとの感が強い

▼だが正念場はこれからだ。政府は来年2月1日までに推薦書を提出しなければならない。その段階で審査対象が主に先着順で35件以内に絞られるという。ユネスコ事務局の人手不足や財政難のためだ

▼応募が35件を超えた場合、まだ1件も世界遺産がない国などが優先されるため、先着の35件の中で届け出の遅かった方から外される可能性がある。確実に審査対象になるためには一刻も早い推薦書提出を期待したい

▼狩猟や漁労、採集に基づく定住生活が1万年も続いた文化は北東アジアでは他になく、世界的にも珍しい。その証拠が全部そろっているのが4道県。推薦まで時間はかかったが、関係者は「遺跡群の価値を疑ったことはない」と口をそろえる

▼来年はユネスコの諮問機関の現地調査があり、21年夏に登録が審査される。一つ一つ着実にハードルを越えていきたい。