性的少数者「ここにいるよ」 盛岡市議の加藤さんが講演

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性的少数者の子どもたちが学校生活で直面する差別や困難について講演する加藤さん
性的少数者の子どもたちが学校生活で直面する差別や困難について講演する加藤さん

 「同じであること」が求められる学校生活で、性的少数者の子どもたちはさまざまな差別や困難に直面する。そんな時、周りの人たちは何ができるのか―。岩手県で当事者の居場所づくりに取り組む加藤麻衣さん(25)=盛岡市議会議員=が12月上旬、秋田県横手市の県南部男女共同参画センターで講演し、「苦しさを訴えたくともできない当事者がいる。そんな時こそ周囲の出番。声を上げてほしい」と訴えた。

 県内を拠点に性的少数者を支援している「性と人権ネットワークESTO(エスト)」(真木柾鷹(まさきまさたか)代表)の主催。

 「学校で『気持ち悪い』『ホモ』『おかま』『レズ』などと侮蔑的な言葉を投げかけられた」「『ホモ』や『おかま』は日常的に笑いの対象になっている。自分のセクシュアリティーがばれたら生きていけない」―。いずれも「LGBT 法連合会」が発表した「困難リスト」に掲載されたものだ。

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気持受け止めて、映画を基に意見交換

映画「カランコエの花」の一場面(C)2018 中川組

 講演に先立ち、「LGBT」を巡る高校生たちの葛藤を描いた映画「カランコエの花」が上映され、加藤さんと県内学生LGBTサークル代表の村田葵さん(秋田公立美大2年)、伊藤月菜(るな)さん(国際教養大2年)が語り合った。

 映画は、ある高校のクラスで「LGBT」についての授業が唐突に行われる場面から始まる。ほかのクラスで授業は行われておらず、生徒の間に「このクラスに当事者がいるのでは」といううわさが広がる―。

 教師が何の前触れもなく「LGBT」の授業を行う場面について、伊藤さんは「生徒一人一人の発達に応じた教育が、本来は大事。生徒にどんなアプローチの仕方で伝えるのかを先生同士できちんと共有しながら、そのクラスに合った教育をしていかなければならないと思う」と話した。

 村田さんは、友達の間で「アウティング」(本人の許可なくその人の秘密を暴露すること)が行われた場面について「アウティングした側の生徒も、事実を知ってショックだったのだと思う。1人で抱え続けるのはつらい。秘密を知った人が、つらさをため込んで悪い方向にいかないようにできたらいい」と話した。

 物語では、当事者が自分のセクシュアリティーを主人公に打ち明けようとする場面がある。しかし主人公は「気付かないふり」をしてしまう。これについて加藤さんは「主人公の態度は、相手への配慮というより『カミングアウトを受けること』を回避するものだった。このような配慮によって、当事者が逆に傷つくこともあり得る」と語った。

 身近な人からカミングアウトを受けた時、心掛けてほしいこととして▽聞き役に徹する▽自分に話してくれた理由を聞いてみる▽この話を共有していい人は誰かを確認する―の3点を挙げ、「打ち明けられた人は動揺するかもしれないが、対応に悩んだ時は周りの人にではなく、専門機関に相談してほしい」と話した。