近美と秋田美大企画展 県が予算化見送り、来春の開催を断念

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 秋田県横手市の県立近代美術館(近美)が秋田公立美術大に参加を呼び掛け、同美術館で予定していた企画展が、県の予算が付かず来春の開催を断念したことが28日、分かった。「はしごを外された」「県から誘われたのに」。準備していた作家からは戸惑いの声が聞かれる。頓挫した背景には、近美と県庁の担当者間での意思疎通不足があったとみられる。

 「誠に遺憾ながら、2020年春に展覧会を開催することができなくなりました」。秋田美大が設立したNPO法人・アーツセンターあきたがウェブサイトで告知している。これまで企画展の趣旨や進捗(しんちょく)状況などを伝え、今後は作家の制作過程も公開予定だった。

 美術館や博物館の企画展は、開催権利や作品確保のため、複数年かけて準備するのが一般的。一方、県の予算は原則、単年度単位で編成される。県に事業費を要望する場合、予算を握る財政課と企画展を所管する生涯学習課、美術館の学芸員の間で、情報共有による相互理解が特に重要となる。

 日本博物館協会(東京)の半田昌之専務理事は今回の事態について、「財政課と生涯学習課の職員が全体像をどれだけ把握していたのか。あるいは全体像を理解できるような説明を美術館の学芸員がしていたのか。そうした基本が互いにおろそかだったのではないか」とみる。

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