社説:今年の県政 県民に具体的成果示せ

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 佐竹敬久知事の3期目の任期は来年4月までで、残すところ1年余りとなった。2020年は3期目の総仕上げの年である。防衛省の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画への対応に加え、歯止めがかからない人口減少への対策など重要課題が山積している。佐竹知事の政治手腕がこれまで以上に問われる1年となる。県民に具体的な成果を示してほしい。

 これまで陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)が最適地とされてきた地上イージスの配備計画の行方が、今年も県民の大きな関心事になる。防衛省は昨年発覚した調査報告書のずさんデータ問題を受け、新屋以外の秋田、青森、山形3県の国有地に配備可能かどうか再調査している。結果は4月にも示される。

 政府は、適地選定では住宅地との距離を「重要な考慮要素」とする方針を示している。住宅密集地に隣接する新屋演習場への配備は見直す方向である。

 佐竹知事は「新屋は適地ではない」と明言し、配備回避に「政治生命が懸かる」と述べた。配備計画に不安を抱える住民の声を重く捉え、配備を容認しない決意を示したと受け止めたい。知事として責任を持って国と折衝し、配備回避に全力を挙げるべきだ。

 再調査では新屋以外の県内国有地が適地とされる可能性がある。県内では能代、男鹿、由利本荘、にかほ4市の国有林など計9カ所が再調査対象になっている。仮にこれらの場所が適地とされても、佐竹知事は慎重に対応を検討すべきである。周辺住民の安全を確保できるのか、本当に配備は必要なのかを根本から問い直す必要がある。

 人口減対策は急務だ。県人口は2017年4月に100万人を割って以降、一昨年3月に99万人、同11月に98万人、昨年6月に97万人を割り込み、減少のペースは加速している。

 そうした中にあって、転出者が転入者を上回る社会減が鈍化しているのは明るい兆しの一つである。18年10月からの1年間の社会減は3917人で、前年から493人減り、7年ぶりに4千人を下回った。

 転入者が500人近く増えたことが影響している。県、市町村の移住、Aターン対策が奏功した可能性もある。今後も多様な施策を推進していくことで、この流れを加速させたい。

 観光客などの交流人口対策も欠かせない。今年は東京五輪・パラリンピックの開催で、訪日外国人客が全国的に大幅に増えると見込まれる。本県にも確実に外国人客を誘導し、五輪後も継続的に誘客できるよう戦略を練る必要がある。

 佐竹知事は来年の知事選に出馬するかどうかについて、今年秋ごろまでには判断するとしている。本県の難局を乗り切るため、どんなリーダーが必要なのか。県民一人一人が考える1年としたい。