県内大学の研究から[秋田公立美術大・澤田享教授]古建築

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小さい空間ながら、数寄屋建築の粋を集めた草庵茶室。「これほどの茶室が秋田に残っていたことに驚く」(澤田さん)
小さい空間ながら、数寄屋建築の粋を集めた草庵茶室。「これほどの茶室が秋田に残っていたことに驚く」(澤田さん)

 古建築を専門とする秋田公立美術大の澤田享教授は長年、県内外の建物の文化財申請に関わる調査を数多く手掛けてきた。現場では決まって、建物と短い“会話”をするという。

 「頼む、残してくれ」という風情の洋館がある一方、「私はもういいから」と言いたげな蔵もある。気候風土や住人の家族構成、なりわい、食生活、娯楽、転機となった出来事や時代背景…。関連情報をパズルのように組み合わせ、建物が生きてきた時間をさかのぼり、暮らしのありさまを浮かび上がらせていく。建築史家たるゆえんだ。

 「細部の意匠をスケッチし、図面を引くが、それだけでは済まない。建物の『何でも屋』というのがしっくりくる」と自らを評する。

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