北斗星(1月15日付)

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 「すぐ食べるなら1個だけ。しばらく食べずに我慢したら2個食べていいよ」。1960年代、米国の心理学者がお菓子のマシュマロをテーブルに置いて、保育園児に選択を迫った

▼自制心を調べる実験だ。後にマシュマロ・テストと呼ばれるようになった。本紙でも以前、医師の鎌田實さんが寄稿で紹介していた。我慢して2個を手にした子どもは大人になっても自制心の強さ、集中力の高さが見られ、肥満指数は低かったという

▼鎌田さんは肥満傾向がある本県の子どもたちを心配。子どもの肥満は将来的に生活習慣病リスクを高める可能性もあるとして、気持ちをコントロールできる大切さと健康教育の必要性を説いていた

▼自制が必要なのは食べることばかりではない。香川県議会は子どもがインターネットやゲームの依存症になるのを防ぐための条例制定に乗り出した。18歳未満がスマートフォンを使える時間について平日は60分が上限と定め、中学生以下は午後9時までとする内容だ

▼広く普及しているスマホの使用を制限するのは難しい。だが度が過ぎれば睡眠障害や引きこもりにつながる恐れもある。条例素案は、子どもを依存症から守る責任は一義的に保護者にあるとしており、スマホ使用の在り方に一石を投じた形だ

▼鎌田さんは大人が自制心を示すのが肝心と強調。飲み過ぎや食べ過ぎを例に「欲望に負けている姿は子どもに見せたくないですね」とも書いた。スマホ使用も含め、模範となれるか。