社説:阪神大震災25年 教訓忘れず備え進めよ

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 1995年の阪神大震災発生から、きょうで25年となる。被害が特に大きかった神戸市など各地で追悼行事が行われる。

 マグニチュード7・3の直下型地震が近畿地方を直撃。6千人以上が命を奪われ、10万棟を超す住宅が全壊した。電気、ガス、水道などのライフラインが破壊されたほか、道路寸断などで交通もまひして大混乱に陥った。都市のもろさが露呈されたことをいま一度思い起こし、浮き彫りになった教訓を今後の防災につなげていかなければならない。

 耐震基準が緩やかだった1981年以前に建てられた木造住宅の倒壊が多く、自宅で圧死に至る例が目立った。このことは国が補助制度を設けて住宅の耐震化を促進する契機となり、60%台にとどまっていた耐震化率は80%台まで上がった。公共施設の耐震化も進められ、小中学校や高校、特別支援学校などは90%台後半に達している。

 だが到底、安心はできない。地震はいつ、どこで起きるか分からない。国や自治体はできるだけ早期に耐震化率100%を達成することを目指し、補助制度の活用などを住民に働き掛ける活動に、一層力を入れるべきだ。大きな被害に遭ってからでは遅い。

 震災関連死がクローズアップされたのも、阪神大震災がきっかけだった。地震による直接的な被害ではなく、身を寄せた避難所で暮らすうち、体調を崩して亡くなってしまうことなどを指す。衛生面の問題のほか、不自由な生活を強いられることによるストレスも要因だ。自治体は被災者に心身両面で十分なサポートができるよう、体制を整える必要がある。

 これほどの地震が雪国で真冬に起きたら、一体どうなってしまうのか。そんな事態も想定して考えを巡らせ、行動するべきだろう。

 大規模地震の発生を想定した冬季防災訓練が、県主催で2014年度から毎年行われている。今年は藤里町で来月、実施する予定だ。救助活動や避難所運営などで実際にどのような対応が必要になるのかなど、具体的な課題が把握できる点が大きい。緊張感のある訓練を重ね、地域防災の充実を図りたい。

 秋田市では全小学校が、地震発生を想定した児童の避難訓練を真冬に行っている。防災意識を高めるため、校長会が阪神大震災翌年の1996年から始めた。今年も各校で順次実施している。今後とも続けてほしい意義のある取り組みだ。

 この25年を振り返ると、2004年に新潟県中越地震、11年に東日本大震災、16年に熊本地震、18年には北海道胆振(いぶり)東部地震と、日本各地で大規模地震が頻繁に発生している。安全が保証されている場所など、どこにもないと言っていい状況だ。一人一人が普段から、万が一の際の備えを確認しておくことが大切である。