社説:台湾チャーター便 通年運航の復活目指せ

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 台湾と秋田を通年で結ぶ定期チャーター便が就航から1年足らずで頓挫した。運航していた台湾の遠東航空が経営不振に陥ったためだ。全路線の運航が停止された。

 台湾人は本県のインバウンド(訪日外国人客)のけん引役である。観光庁の宿泊旅行統計調査によると、本県の2018年の外国人宿泊者数の4割超を台湾人客が占める。誘客を一層加速させるには通年で運航する定期便、定期チャーター便が大きな力になる。通年運航の早期の復活に向け、県や市町村、関係団体は、遠東航空に代わる航空会社を模索し、粘り強く誘致活動を展開しなければならない。

 台湾―秋田間のチャーター便を運航したことがある航空会社は04年度以降は遠東航空をはじめ、中華航空、エバー航空など計7社。このうち19年度に実績があるのは、遠東航空以外では春、秋限定でチャーター便を運航したエバー航空だけだった。

 堀井啓一副知事は昨年末、エバー航空、中華航空の子会社タイガーエア台湾の2社を訪れ、チャーター便の運航を要望した。タイガーエアは来年春、新機種を導入する予定で、佐竹敬久知事は、今後重点的に働き掛ける方針を明らかにした。同社への支援策も検討するという。同社だけでなく、幅広い可能性を探ってほしい。

 遠東航空は従来は季節限定でチャーター便を運航していた。県の誘致を受け、昨年3月末から1年間の予定でチャーター便を通年に拡大した。しかし同社機がフィリピンで脱輪トラブルを起こした影響で機材繰りがつかなくなったり、機長の退職が相次いだりしたために、運休が続いた。長期的な営業損失がかさみ、昨年12月中旬に運航停止に追い込まれた。

 台湾―秋田間は計画では104往復208便だったが、実績は31往復62便と3割未満にとどまった。台湾人客、日本人客がそれぞれ延べ約2千人で、平均搭乗率は約40%と低迷した。

 本県を訪れた台湾人宿泊客は18年に4万9千人を超えた。しかし19年1~10月の宿泊者数は前年同期比約3500人減。遠東航空の運休が重なった影響があるとみられる。

 台湾人観光客は、秋田内陸線の車窓から眺める雪景色を楽しむなど、冬の秋田への関心も高い。各地の小正月行事などに合わせ、誘客を見込んでいた観光施設にとって、遠東航空の運航停止の影響は大きい。

 今回の運航停止はあくまで航空会社側の事情であり、台湾に秋田を売り込む余地はまだまだある。台湾の旅行業者に新たな旅行商品づくりを促すためにも、県や市町村、関係団体は四季を通じた本県観光の魅力を効果的に発信する必要がある。

 台湾から来てもらうだけでなく、本県から台湾を訪れる観光客も掘り起こしたい。官民を挙げて知恵を絞り、台湾―秋田間の通年運航復活を目指したい。