社説:本県の農業産出額 大規模化を加速させよ

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 本県の2018年の農業産出額は1843億円で、前年比で51億円、2・8%増加した。4年連続の増加で全国3位の伸び率とはなったが、東北では6年連続最下位である。全国では前年より順位を一つ上げ19位だった。コメ依存からの脱却を目指し、野菜などと組み合わせた複合型へ生産構造の転換を進めるものの、道半ばである。園芸、畜産との複合化、大規模化を一層加速させなくてはならない。

 本県の農業産出額の内訳をみると、コメは価格の上昇により29億円増の1036億円である。新潟県(1445億円)、北海道(1122億円)に次ぐ3位だった。ただ産出額に占める割合は56・2%で、依然としてコメ依存の生産構造である。

 野菜などコメ以外の合計は過去20年間で最高額の807億円を記録した。農家の地道な努力の成果であり、今後さらなる生産拡大に期待したい。具体的には野菜が308億円で29億円増、果実が72億円で3億円増。ただ畜産は359億円で7億円の減少となった。

 県は、コメは現状を維持しながら、野菜や畜産の生産を伸ばすことで、コメの比率を下げていく方針である。25年の産出額の目標を2千億円に据えている。

 しかし東北各県と比較すれば、青森、岩手、山形、福島は18年で既に2千億円を超えている。着実に産出額を伸ばしていくことは大事だが、他県との差を少しでも縮めることができるような思い切った施策を打ち出して、農家のやる気を引き出すことも必要ではないか。

 野菜、畜産の生産拡大に不可欠なのが「園芸メガ団地」と「大規模畜産団地」の整備である。両団地ともに50カ所を整備する計画で、いずれも既に41団地が整備されている。園芸団地は年間1億円以上の販売額を目指し、エダマメ、ネギ、花卉(かき)などを中心に産地化が進んでいる。ただ1億円に届かない団地もあり、収益アップに向けた取り組みが急務である。

 畜産は豚が好調で東北3位だが、肉用牛、乳用牛が最下位で東北各県に水をあけられている。環太平洋連携協定(TPP)、日米貿易協定が発効し、価格の安い外国産との競争も強いられている。大規模化とブランド化に活路を見いだしたい。

 コメも全国3位だからといって安心していられない。消費量は減少しており、産地間競争は激化。しっかりとした戦略を立て、米産県としての地位を守っていかなくてはならない。

 農家は高齢化が進み、農家数も減少している。次代の地域農業を担う農家、法人の育成と新規就農者の確保が重要である。情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業への対応も迫られる。大きな転換期を迎えている中にあって、関係機関がこれまで以上に連携して、本県農業発展のために取り組みを強化することが求められる。

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