遠い風近い風[伊藤伸平]ヒマラヤの霊峰

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 高校まで秋田で育ったとはいえ、寒い冬はどちらかといえば苦手だ。そんな僕でも冬の時期の楽しみがある。東京は冬になると乾燥した空気が入り込み、空気中の水分が少なくなって遠くまで見渡せるようになる。晴天時に自宅のベランダに出ると雪化粧をした富士山が望めるのだ。晴れた朝はまず富士山を眺め、さあ、今日もがんばろうと心に誓う。

 普段から山を眺めたり、山登りをしたりするわけではないが、名峰・霊峰と呼ばれる山を見るのは好きだ。海外への旅でもスイスアルプスやカナディアンロッキーなどの美しくも険しい峰をいくつも見たが、やはり別格だなあ、と思ったのはネパールで見たヒマラヤ山脈だ。

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