北斗星(2月1日付)

お気に入りに登録

 若い女性の間で厚底靴が大流行したことがあった。厚さが10センチを超える靴もあって、バランスを崩して転倒しないかと心配したものだ。だが、履き慣れると問題はないらしい。今も根強い人気がある

▼陸上の長距離選手が好記録を連発し、話題となっているのが米スポーツ用品大手ナイキの厚底シューズだ。薄底が一般的だった従来のシューズと異なり、底の厚さは4センチ弱あるが軽い。炭素繊維のプレートが埋め込まれ、バネのような働きで推進力が増すという

▼マラソンの世界記録は、男女共にこのシューズを履いたケニア選手が更新した。男子日本記録保持者の大迫傑選手をはじめ、日本のトップ選手も履いている。1月の箱根駅伝では、使用率が8割を超えたとされている

▼厚底シューズのプレートによる高反発機能を問題視する関係者は少なくない。陸上競技規則では「不公平な助力や利益を与えるような」シューズを禁止しているものの、跳躍種目以外では靴底の厚さは規定がない

▼規則はシューズはほぼ全ての選手が無理なく入手できるものでなくてはならないとも定めている。厚底シューズは決して安くはないが、愛用する市民ランナーも多く、条件を満たしている

▼各メーカーは技術を競い合って、軽量で推進力を生み、足に負担が掛からないシューズの開発にしのぎを削っている。ただ、選手よりも画期的な新製品の方が注目されるような最近の状況は行き過ぎだろう。選手の走りにこそ目を向けたい。

秋田の最新ニュース