北斗星(2月9日付)

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 年齢を重ねるごとに、月日のたつのが早く感じられる。江戸前期の儒学者貝原益軒は「養生訓」で「老後は、わかき時より、月日の早き事、十ばいなれば、一日を十日とし、十日を百日とし、一月を一年とし、喜楽して、あだに日をくらすべからず」とつづっている

▼ついこの間まで正月気分に浸っていたと思ったら、もう2月も9日となった。月はぎカレンダーもあっという間に2枚目である。わが家では今年、少しばかり趣向を変えて「俳句カレンダー」(俳人協会発行)を飾っている

▼本紙文化欄の俳句選者の1人でもある秋田市の佐藤景心さん(68)から頂いた。芸能人が1句ずつを披露して、俳人の夏井いつきさんが「才能あり」「才能なし」などと厳しく評価するテレビ番組に触発され、ある会合で「俳句が面白い」と話したところ、持ってきてくれた

▼毎月40句前後が掲載されている。季節の移ろいが細やかに詠まれており、それぞれの一句に込められた思いに想像は膨らむ。3月には佐藤さんの「一村を一望秋田杉を植う」が載っている

▼わずか17音の中に、季語を織り込み、独自の世界を表現する。それだけに奥が深い。「句作を通じて自らが生きていることを実感でき、これからも生きていこうとする力が湧いてくる」と佐藤さんは語る

▼貝原益軒が記しているように無駄に日々を過ごさないためには、趣味や打ち込めるものを持つことが一つの方法である。今年は俳句の世界の門をたたいてみようか。