自民県連のイージス要望書 「経済的配慮」削除して公開

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 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画を巡り、自民党県連が政府に提出した要望書の全文が13日、明らかになった。前日に報道機関に配布した「要点」にはない「財政・経済面への配慮」を求める文言などが記されていた。県連は「変な受け取られ方をしても、うまくないと思って外した。他意はない」としている。

 県連会長の金田勝年衆院議員や副会長の鶴田有司県議らは12日、東京で河野太郎防衛相、菅義偉官房長官と相次ぎ会談。「イージス・アショアに関する要望書」を提出したが、報道機関に対しては「要望書の要点」と題する書面を配布した。13日昼ごろになり、防衛省が要望書全文のコピーを防衛記者会に掲示した。

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他会派反発「金の話不謹慎」

 他会派を「無責任」と批判した要望書について、県議会第2会派・みらいの渡部英治代表は「これまで自民会派は住民の思いをどれだけくみ取ってきたというのか。地方議員の役割は地域の住民の立場に立ち、民意を最重要視して行動することだ。われわれは住民の声を聞き、安全安心を第一に考えて対応してきている。無責任と言われるのは筋違いだ」と話した。

 「財政・経済面の配慮」に言及していたことについては「交付金のような制度があれば受け入れてもいいというような誤解が生じる。住民の安全が第一であり、金が条件のようになっては駄目だ」と述べた。

 つなぐ会の沼谷純代表は「県議会の責任は、県内に配備されようとしているものについてしっかり賛否を表明すること。配備反対の請願を採択することに同意せず、地域住民の思いを棚上げにしてきた自民党の対応こそ無責任だと思う」と批判。「仮に県内のどこかに配備するにしても、その地域の安全をどう確保するのかという話も出てきていないうちから金の話を出すのは不謹慎だ」と述べた。

穂積市長「申し入れは大変重い」

 地上イージスの陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)への配備を巡り、自民党県連が12日に菅義偉官房長官と河野太郎防衛相に新屋配備には無理があると伝えたことについて、穂積志秋田市長は13日の定例会見で「大変重いこと」と述べた上で「政府も政権与党から申し入れがあったことは、今までと違って重く受け止めざるを得ないと思う」と語った。

 穂積市長は先月31日、佐竹敬久知事と共に河野氏と会談。この日の会見では、河野氏が地元首長の協力と理解がなければ配備計画は先に進めないとしたことに触れ、新屋配備は容認できないとの考えを示した。

 また、河野氏が地元を視察後に最終判断する考えを示したことについて「実際に(演習場を)見てもらえれば、(住宅地や学校からの)近さというのは十分認識される」と期待。防衛省が住宅地との距離を重要な考慮要素と位置付ける中、新屋が配備地に選定されることは「あり得ないだろう」と述べた。

 穂積市長が河野氏と会談する直前には、秋田市議会の自民系会派・秋水会が、新屋を配備候補地から除外すべきだと河野氏に伝達するよう穂積市長に申し入れていた。