北斗星(2月16日付)

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 秋田市出身で国際農林水産業研究センター(茨城県)の研究員を務める前野浩太郎さん(39)は「バッタ博士」として知られる。2011年から3年間、アフリカ北西部の国モーリタニアで「サバクトビバッタ」の生態研究をして以来、何度も現地調査を行っている

▼夢中になってバッタを追いかける間に地雷原に踏み込みそうになったり、バッタが夜に何をしているか観察しようとしてサソリに刺されたり。思いも寄らない経験の数々を著書「バッタを倒しにアフリカへ」(光文社新書)にユーモアたっぷりにつづった

▼バッタは時に大量発生し、農作物などの植物を食い尽くして大きな被害をもたらす。現地での生態研究は遅れていたが、前野さんは夜は大木に寄りつくことなど新事実を突き止めた。こうした習性を利用すれば、環境に負荷を掛けずに駆除できるようになるかもしれない

▼前野さんら研究者の努力をよそに、ケニアをはじめアフリカ東部の国々でバッタが大発生中だ。大雨など気候変動が原因とみられ、ケニアでは過去70年で最悪の規模。このままでは深刻な食料不足となりそうだ

▼秋田市の県立図書館でケニアなどで用いられる布「カンガ」の展示を見た。文様と共にさまざまな格言がプリントしてある。その一つに「本当に大切なのは困った時に助けてくれる人」とあった

▼国連はバッタの緊急対策資金の拠出を各国に呼び掛けている。手遅れにならないうちに世界が支援の手を差し伸べなくては。

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