北斗星(2月17日付)

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 秋田大医学部付属病院が院内感染対策の一環で開く手洗い講習会に参加したことがある。15年ほど前のこと。洗い残しがあれば白くなる特殊な液体を塗り、液体石けんでしっかり洗った

▼手洗い後に室内を暗くしてブラックライトで照らすと手が真っ白に。念入りに洗ったつもりだったが、全体に洗い残しがあり、親指や指の間、爪の周りが特にひどかった。漫然と洗っていては駄目だと痛感した

▼「人間の手ほど不潔なものはない」という担当教授の言葉が印象に残った。人は日常生活でさまざまな物に触れたり、握ったりしている。手は気付かないうちに汚染されている可能性が高いことを強調していた

▼講習会は、医療関係者の手を介して全国各地で院内感染が起こったことを受けて開かれた。医療機関はその後、対応マニュアル「標準予防策」の策定に取り組んだ。誰もが何らかの感染症にかかっている可能性があることを前提に、感染を封じ込めるための対策を策定した。手洗いは対策の筆頭格に位置付けられた

▼肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大は終息の気配が見えない。重症急性呼吸器症候群(SARS)が終息まで8カ月かかったことを踏まえると、長期戦の構えも必要になろう

▼ウイルスという敵に立ち向かう最大の武器は手洗いだ。だが、どのように行えば、その敵を確実に追い払えるのか。自信を持って言える人は少ないのではないか。いま一度、基本を確かめる必要がありそうだ。

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