社説:女性の社会進出 男女格差の解消が急務

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 日本で女性の社会進出がなかなか進まない。スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が先頃発表した2019年の「男女格差報告」で、日本は世界153カ国のうち過去最低の121位だった。

 女性活躍推進を重要政策に掲げているにもかかわらず、むしろ落ち込んでいることを政府は深刻に受け止めるべきだ。現状分析を急ぎ、改善を図らなければならない。

 この報告は政治、経済、教育、健康の4分野のデータを総合し、男女格差の度合いを比較している。06年から毎年発表され、上位は11年連続1位のアイスランドなど北欧諸国が占める。日本は06年の79位から年々順位を下げ、19年は中国(106位)、韓国(108位)にも後れを取った。

 特に問題なのが政治分野だ。前年の125位から144位に落ち込み、下から10番目になった。女性の議員や閣僚が少ないことなどが影響した。女性の政治参加で日本が世界最低水準にとどまっているのは大きな問題である。

 経済分野は前年とほぼ横ばいの115位だった。管理職や経営者に占める割合が低い上、男女間の賃金格差が大きいと指摘されている。結婚や出産、育児に伴い、正社員のフルタイム勤務が難しくなり、いったん職場を離れ、非正規雇用に移行する例が多いことなどが背景にあるようだ。

 県内のデータを見ても、男女の格差は顕著だ。県が19年にまとめた「あきたの男女共同参画」報告書によると、女性管理職は公立学校15・1%、県職員7・5%、企業5・9%にとどまる。県議43人のうち女性はわずか5人(11・6%)だった。

 要因の一つとして、家事や育児の負担が女性に大きく偏っていることが挙げられる。総務省の調査では、6歳未満の子どもがいる夫婦の家事・育児に関わる時間の平均は妻の7時間34分に対し、夫は1時間23分と大きな開きがある。

 夫婦共働きが一般的になっているのに、依然として女性の負担が大きいことが浮き彫りになった。フルタイムの職場に復帰しようとしても、家事や育児をほぼ1人で抱え込む状況が変わらないのであれば、難しいだろう。家事や育児に関し男性が積極的に取り組むことが不可欠であり、企業にもそれを後押しすることが求められる。

 国や自治体、企業などで女性の台頭が進み、一人一人が政治、経済などさまざまな分野でリーダーシップを発揮していくことは、もっと女性が働きやすい社会につながるはずだ。そのためには幼いうちから性別による役割意識を払拭(ふっしょく)する教育を施すことも重要だ。

 日本には「女性だから」「男性だから」という固定観念が、いまだに根強く残っている。そうした認識を変え、女性の社会進出を促したい。