社説:G7首脳会議 協調して難局乗り切れ

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 日米など先進7カ国(G7)首脳は新型コロナウイルスへの対応について緊急テレビ電話会議を開き、共同声明を発表した。医療、経済の両面で協力を確認し、「あらゆる手段を動員する」とした。

 世界規模で感染が拡大し、株価急落など経済にも大きな影を落としている。G7首脳によるテレビ会議は初めてで、G7の結束を発信することで混乱に歯止めを掛けたいとの狙いがある。7カ国は協調して、新型コロナに立ち向かうことが求められる。

 共同声明では、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)について「地球規模の健康危機で、世界経済に重大なリスクをもたらしている」と指摘した。ウイルス対策のために、適切な国境管理を含めた感染拡大を遅らせる措置で協力することを確認。各国で疫学データを共有し、共同研究などを強化して、ワクチンや治療薬の開発と製造、供給を支援するとした。

 経済対策では、企業や労働者の支援にあらゆる金融・財政手段を用いる。各国の中央銀行に対しては経済安定化のため協調するよう求めた。

 G7は国際政治や経済をけん引する役割を担っていたが、「米国第一主義」を掲げるトランプ米大統領の登場で、米国と他国との間にきしみが生じている。世界が危機に直面しているときにこそ、存在意義を示すべきである。その意味からもG7が率先して新型コロナ対策に取り組むと表明した意義は大きい。

 共同声明を単なる「決意表明」にとどめてはならない。迅速に具体化して実行に移すことが重要である。

 金融市場の混乱が収まらない中で、各国の経済対策が今後の鍵を握る。日本は4月に大規模な財政支出を伴う総合的な対策を検討。事業規模はリーマン・ショック後の2009年4月の対策(57兆円)に匹敵する可能性がある。対策の必要性は論をまたないが、財源をどうするかを含めて、国会での慎重な議論が必要である。

 トランプ米政権は1兆ドル(約107兆円)規模の対策を検討している。各国がそれぞれの政策を実行することで、世界経済の回復に結び付けたい。

 先進7カ国に加え、中国などが加盟する20カ国・地域(G20)の枠組みでも連携を強めていくべきである。特に国内総生産(GDP)世界2位の中国との連携は不可欠である。しかし米中の貿易戦争は続いており、新型コロナを巡っても非難の応酬を繰り返している。このまま対立がエスカレートするようでは両国のみならず、世界経済にも多大な影響を及ぼす。

 新型コロナは終息の気配が見えず、長期化も懸念されている。G7首脳は今後も必要に応じて会議を開くとしている。G7がリーダーシップを発揮し、世界各国と一致協力してこの難局を乗り切らなくてはならない。

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