時代を語る・川村忠(11)昇進断り秋田へ帰郷
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埼玉県川口市の大型集合住宅をはじめ、さまざまな工事現場でお世話になっていた現場事務所の所長から「そろそろ所長をやってみないか」と誘われました。工事主任からの昇進です。
ゼネコン(総合建設業)が扱う建物は大型が多く、総工費は時に何十億円にも上ります。その現場事務所は「一つの会社」で、所長は「社長」といってもいいくらいの地位と権限を得ます。まだ29歳。所長昇進は、ずっとゼネコンに勤めるつもりなら、これ以上ないお話です。入社後の働きぶりを評価してもらい、心底うれしかった。