遠い風近い風[宮田陽]キャンセル

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 仕事のキャンセルが止まらない。予想はしていた。だが、さすがにきつい。私も声を大に叫びたい。新型コロナウイルスのバカ!

 先日は、一日に6件の公演中止や延期の連絡があり、最初は神妙に電話に出ていた私だが、4件目位からは、「はい! キャンセルですね!」と、逆に笑顔で対応するようになっていた。

 我々寄席芸人の救いは、このコラムを執筆している時点で、都内の寄席だけは辛うじて興行していることだ。お陰で完全な無職にならずに済んでいる。劇作家で演出家の野田秀樹氏は、劇場の閉鎖を“演劇の死”と表現したが、寄席はまだマシだ。とはいえ、総じてお客さんの入りは悪く、ほぼ無観客試合のような日も。だから、今の寄席は“演芸の瀕死”状態といったところか。

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