遠い風近い風[井川直子]珈琲豆を挽く

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 原稿を書いているとつい、寒い暑いにトイレなど、人間活動の基本まで我慢してしまう。お腹が空いて、そこにみかんがあったとしても“皮をむく”ことに気を散らしたくなくて、耐えるほうを選んでしまう。

 だいたい根が面倒くさがり屋なのだ。起きてから寝るまで、小さな机と椅子に座りっぱなしでも全然苦じゃない。家でエコノミークラス症候群になりそうだなぁ、なんて一応気にしつつ、10時間でフィンランドに着いたとか、12時間でもうイタリアだ、などと妄想して喜んでいる。ちなみにスマートフォンによると、昨日の歩数は17歩だった。

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