北斗星(4月29日付)

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 ラジオの深夜放送を聞いていたら作家の五木寛之さんが「食と健康」について話していた。87歳。さぞ体に気を使っているだろうと思いきや、何でも食べるのが基本で1日1食というから驚く

▼「グルメではない」と断り、食生活をざっくばらんに披露していた。乳製品を好み、肉も大福も口にする。サバ缶には塩を振って食べ、全国を訪れた際にご当地カレーを楽しむ

▼毎朝6時に寝て昼に起きる。大病や入院の経験は皆無。そもそも体が丈夫なのだろう。自分が何を欲しているのか、体の内なる声に耳を澄ますことを大切にしているという

▼五木さんは本紙で毎週水曜日にエッセー「新・地図のない旅」を連載している。昨年1月のスタート時の文章は予言めいていた。明治・大正・昭和・平成と一時代置きに強烈な時代と控えめな時代が交代で続いたと分析。新時代について「ひょっとすると強烈な激動の時代になるかもしれない」とつづっていた

▼同じ連載で「百年人生」時代にも触れている。「海図もなければ羅針盤もない」「手さぐりで生きていかなければならない」。それが誰も経験したことのない新たな時代なのだという。果たして、令和は2年目にしてコロナ禍で先が見通せない状態となった

▼不安な気持ちが募るからなのだろう。心華やぐ季節を迎えたのに、周りの景色も色あせて見える。私たちは「百年人生」という難しい時代を生きている。だからこそ希望を手繰り寄せる知恵が求められている。

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