遠い風近い風[小玉節郎]世にも美しい草野球

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 爽やかな季節。残念なことに日本中をコロナウイルスが襲い、草野球が楽しめない年になってしまった。私はかつて広告デザインの制作会社に勤務していて、日本を代表するといっても過言ではない「美しいユニフォームを着た」野球リーグに参加していた。小規模のデザイン会社の親睦を図るのが目的で、野球で勝つことが目的ではなかった。

 いや、勝ちたい気持ちがあるにはあったが、参加数十社の中にはメンバー九人が揃わない少人数の事務所もある。その場合仲良くしている他社との連合チームも許されていた。世代的に野球をやったことがなく「草野球」という言葉に惹かれての参加も多かった。目的の一番が、終わったあとのビールがうまい、これだった。また、仕事で競い合っている相手の顔を見ておきたい、あの社には負けたくない、の気持ちがかなりあった。

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