社説:県の休業要請緩和 感染防止策、一層徹底を

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため出していた休業要請を、県は大幅に緩和した。接待を伴うスナックやカラオケ店、スポーツクラブなど約900の事業所に対象を絞り込んだ。これにより、緩和前の要請対象だった7千事業所のうち9割が解除された。

 2月下旬の政府のイベント自粛要請以降、自粛ムードが広がり、県内事業所の多くは経営が悪化。緊急事態宣言の全国拡大後は県内でも休業要請が出され、事業者から悲鳴が上がっていた。だが緩和を機に再び感染が増加しては元も子もない。事業者も利用者も気を緩ませることなく、引き続き感染防止策を徹底することが何より重要だ。

 政府は宣言を今月末まで延長する一方、13の特定警戒都道府県以外の本県を含む34県は感染が抑制されていると判断。知事の権限で要請を緩和できるとした。

 本県は休業要請の他、外出自粛要請も緩和。帰省など県境をまたいだ移動は引き続き自粛を求めるが、その他の外出については密閉、密集、密接の「3密」を避けることを徹底し、接待を伴う飲食店への出入りを控えることなどを求める。中止、延期が相次ぐスポーツ・文化関係のイベントは、最大50人程度の比較的少人数での開催のみを想定している。

 本県は全国的に見ても感染者数は少ない。この状況を維持しながら、商業施設の再開やイベント開催など、さまざまな活動を軌道に乗せていきたい。

 スナックなどの休業要請を延長したのは、クラスター(感染者集団)発生の防止を最優先したためだ。大都市に比較して医療機関が少ない本県ではクラスターが発生し、濃厚接触者が急増したり、院内感染につながったりすれば、すぐに医療崩壊を招く。3密が生じやすい環境での営業が多い事業所の休業要請継続は、やむを得ない措置だ。

 引き続き休業を求められた事業者は一層厳しい経営を強いられる。再開する事業所も、すぐに以前の客足が戻るとは限らない。財政的な制約はあるだろうが、県や市町村は支援に向けてさらに知恵を絞ってほしい。

 県の休業要請延長の期限は14日。政府は14、21日をめどに専門家会議を開き、新規感染者の減少幅や医療体制の状況などを分析、都道府県ごとに緊急事態宣言を期限前に解除する可否を検討する。自治体には大阪府など、緊急事態措置の解除に向け独自基準を策定する動きもある。慎重な判断が欠かせないが、早期の宣言解除が期待される。

 佐竹敬久知事は今後再び感染が拡大する可能性に触れ、ワクチンや治療薬ができるまでは厳しい状況が続くとの見通しを示した。過去のインフルエンザのパンデミック(世界的大流行)では第2波、第3波が起きた例がある。県の要請が緩和されても、感染防止に留意した事業や生活を根付かせたい。

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