時代を語る・中村征夫(26)がれきの中で命宿す

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被災後の青苗沖の海底(撮影・中村征夫)
被災後の青苗沖の海底(撮影・中村征夫)

 平成5(1993)年に奥尻島で北海道南西沖地震に遭遇した際、暗闇の中で道を間違えずに高台まで避難できたのは、島にいた「ロック」という名の犬と何日か前に散歩をして地理を把握していたからです。ロックは僕にとって命の恩人です。

 あの地震から半年ほどたった頃かな。僕が泊まった民宿の夫婦から小包と手紙が届いたんです。開けてみたら島の名物のスルメイカ。津波で民宿が流されて先が見通せない状況だったはずなのに、どうしてこれほど優しくなれるんだろう。「元気でやってるよ」って伝えたかったんでしょう。涙がこみ上げて途中から手紙が読めなかった。

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