社説:コロナ便乗詐欺 冷静な対応で身を守れ

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 拡大する新型コロナウイルス感染への不安につけ込む新手の特殊詐欺が増えている。国や自治体の経済対策に乗じた詐欺も目立つ。冷静になる、独りで判断しない、誰かに相談する―などを心掛け、卑劣な犯罪から身を守るよう努めたい。

 全国民に一律10万円を配る特別定額給付金の申請が順次始まっている。大仙市と美郷町は昨日、県内トップを切って支給を始めた。月内には全市町村が支給を開始する予定。こうした動きに合わせて巧みに詐欺行為が行われる恐れがある。十分警戒しなくてはならない。

 この給付金で、詐欺とみられる不審メールが届いた事例が県外で相次いでいる。申請手続きの代行を装い、手数料を求める電話もあった。総務省では「国や自治体がサイトでマイナンバーの写真を送らせて個人情報を求めたり、手数料の振り込みや現金自動預払機(ATM)の操作を求めたりすることはない」と呼び掛けており、注意が必要だ。

 現金と同様に個人情報も狙われている。国は「暗証番号」「通帳」「口座番号」「キャッシュカード」「マイナンバー」をむやみに教えたり、渡したりしないよう注意する。

 品薄が続くマスクに関しては悪徳商法とみられる事例が目立つ。身に覚えのないマスクが送り付けられて代金を請求されたケースもある。県内では「マスクが当たった」という不審電話が報告されている。

 感染への不安につけ込む手口では「ウイルス検査を無料で受けられる」「水道管にウイルスがついているので除去する」といった電話やメールが届いている。冷静に構え、不審な点がある話や請求には決して耳を貸してはならない。

 このほか、コロナを口実にした電話やファクス、メール、訪問などが各地で相次いでいる。電話で息子を装ったり、官公庁や市町村職員を名乗ったりするなど、手口は一様ではない。

 国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられたコロナ関連の相談は4月末時点で2万件以上に達している。被害に遭わないためには、少しでも疑問があれば、まず誰かに相談することが必要だ。

 家族や頼りにできる人が身近にいない場合は、警察署や交番などに相談したい。局番なしの「188(いやや)」をダイヤルする消費者ホットラインは、最寄りの消費生活センターなどの窓口につながる。

 普段なら簡単にはだまされない人でも、コロナ感染への不安や切迫した家計などで冷静さを欠いてしまうことがある。自分を過信せず、相談をためらわない姿勢が何より求められよう。

 特に1人暮らしの高齢者は家族や近所の住民が支えたい。しっかり見守り、こまめに声を掛けることが、悪徳商法や詐欺被害を防ぐために大切なのは言うまでもない。