北斗星(5月18日付)

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 「三枚のお札」は、やまんばに捕まりそうになった小僧さんが、和尚さんからもらったお札の力を使って窮地を脱するという昔話。本県でも広く語り継がれてきた。さて小僧さんが山に出掛けた理由は何か

▼「読みがたり 秋田のむかし話」(日本標準刊)によるとクリ拾い。一方、ネットの秋田の昔話には「ウドやらワラビやらフキなどの山菜を採りに」とあった。孫にせがまれ、祖父母が語り聞かせてきた昔話。季節に合わせたバリエーションがあるのは自然なことだ

▼小僧さんに倣い、旬の山菜を求めて秋田市近郊の道の駅にある直売所に足を延ばしてみた。シドケ、アイコ、ホンナ…。店内には数々の山菜が並んでいた。あく抜き済みの山菜があるのもうれしい

▼レジ前の透明シート、床の足形の目印、手作りマスクの販売コーナーは今年特有の店内風景だ。新型コロナウイルスを警戒して通院以外の外出を控え、久しぶりに店で買い物した高齢の両親はその一つ一つに戸惑い、驚いていた

▼いま、人々の外出緩和がそろりと始まった。とはいえ多くの業種が自粛、自粛で受けたダメージを回復するのはもう少し先。中でも宿泊業は苦境にあえいでいる。その支援策として県は県内限定の割安宿泊券発行を検討している

▼県民が長く巣ごもり生活してきたストレスを解消するのは大切。日頃と同様に感染防止対策を徹底した上でなら、季節の味覚や地元の良さを再発見する旅を大いに楽しんでもいいのではないか。

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